【散文気分】 - 2019/7/12 Fri -

悩んでる体が熱くて指先は凍えるほど冷たい
『どうしたはやく言ってしまえ』 そういわれてもあたしは弱い
あなたが死んでしまってあたしもどんどん年老いて
想像つかないくらいよ そう 今が何より大切で

スピード落としたメリーゴーランド 白馬のたてがみが揺れる

少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ
甘い匂いに誘われたあたしはかぶとむし
流れ星ながれる苦しうれし胸の痛み
生涯忘れることはないでしょう

そんな古い歌が耳元を流れるのを不思議に思いながらも、ミライはただ橋を歩き続けた。 少し厳密に言うならば、上がって来たばかりの橋を歩き続けていた。 それまでは砂浜を歩いていたからだ。 こんな雨降りにも関わらずそんなことを軽々と出来たのには訳がある。

弁天橋を行きかうのは、その殆どが外国人だった。 そう感じたのは日本語よりも外国語の方が・・・aiko の合間に入って来たからであり、ヴィジュアル的にも勝(まさ)っていた。 たったいま通り過ぎて行ったかと思えば、またすぐに戻って来る、 そんな自転車こぎのブロンド娘が二人。 きっと何かが彼女らをそうさせたのだろうなと、ミライにも思えた。

一体なぜ両親は自分に ミライなどと付けたのだろう。
そんな命題は一生モノだったが、彼はいまだかつて両親に対してそんな疑問を投げかけたことがなかった。

財布の中身が少し頼りなかったのか、彼は橋の手前のコンビニで出金していた。 ついでにトイレも借りていた。 ほんの少しの額だったが彼にとってはそれなりの出金だった。 目的を思えば必要なのかどうかといった程度の、いわば保険的なものだったのかもしれない。 そう。 彼の目的はただ江ノ島で、『昼食をとる』こと。 それだけだったらしい。

橋のたもとで山登りから外れ、左にそれてゆくのは彼ひとりくらいしかいなかった。 彼もそれを背中で感じていたのかもしれないし、特にそんなこともなかったのかもしれない。 とにかく、彼は土産物屋の角を、いったい誰が見ているのかも判らない、どこで採れたのかも判らない大きな巻貝の並ぶショウケースを横目にしながら、他の多くの人々が真っすぐに上ってゆくその細道を左に入っていった。

島では何かの祭りごとがあるのらしい。 こんな雨降りにも関わらず神輿が用意されている、とても小さな場所があった。 そんなところに対しても、『島らしいな』などとミライは感じている。 …ようだった。

別れは突然にやってきた。 彼は帰路の選択に江ノ電を選び、そんな駅までの道のりを行く間に恋をした。 それは人ではなく、もちろん女性でもなくただ、服だった。 雨はとっくに上がっていたが南風が、そこそこな南風があった。 そんな南風にあおられた白いワンピースがシングルハンガーに掲げられていたのだ。 値段は判らないが判らなくても何とかなりそうな店構えな?店ではあった。

彼はそれをハンガーから外し、裾の部分を軽く広げて感触を確かめ、奥のレジへと進んで行った。 店員はよく日焼けした若い女の子だった。 愛想のよさは雰囲気のみで業務的なやり取りのテキストにまでは現れていないが、充分に感じられていた。 きっと飾らないプレゼントか何かとでも解釈されていたのだろう、そう感じられるに相応しい対応だった。

ほんの余談だが。 彼は藤沢で小田急に乗り換えるのだ。
そんな改札口でワンピースの、特に飾らないビニール袋を持っていないのに気付かされる。

・・・今日のテーマは、そんなときの心境についてです。   どう思われますか?











12.Jul.2019 藤沢市・江ノ島地区 東面住宅地の細っそい階段にて

上の方から降りて来たばかりのニャンコが、奇特にも付き合い?登ってくれますただ。

一瞬、『あれ?3年前に会ってたキミ(汗』 かとも思いましたが。 別人だと思います。
愛想の良さ 【だけ】 は同一人物だったのですが。

ほんの一匹に29枚ほど撮りました。   …で、採用がコレ? う〜む。
その理由は、私めの右足(長靴)とコラボしてるから。   なにしろ同行ですから。 えぇ。

まぁ、ネコのワカンナイことに関しては岩合さんに尋ねてみればいいのでは、ねぃでせうか。

 『んなこたぁ、知らねーよ。』 って言われるのも、また痛快な感じがしますだな。

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