【散文気分】 - 2008/05/09 Fri - 勘違いにはワケがある。 なんだか新書版・週間ベストセラーのタイトルめいた物言いですねぇ。 こう指示したらやってくれるだろうさ、 ああ言ってお願いしたのだから大丈夫だろうよ。 普通ならば… いえいえ、ヒトはそんなに甘い生き物ではございませぬ。 これがある種の大事な用件を含んでいた ならば、受け手の勘違いによって その後のひと悶着は免れないでしょうね。 どちらの立場に立って いたとしても、本当に恐ろしいコトです。 『擬人化タン』って言葉を 聞いたコトがあったり、既によく知っていらっしゃる方々も きっと いらっしゃるのでしょう。 私は前者の立場に近く、ネットで言葉を少々調べてみた程度であります。 ぐ〜ぐる大先生に訊けば大抵の???なキーワードについて、疑問は速やかに解消されますから。 擬人化タンに深く入り込むのは 各々方、後のお楽しみにどうぞです。 擬人化… ヒトではないモノや動物などが、あたかもヒトであるかのように振舞って見えるさま、 またはそれらをそう振舞わせて見ようとするさま… こんな感じで大儀の方はええでしょうか?(汗 え〜っと、擬人化あそびって好きなんですよ。 あ、そういった遊びのカテゴリーが一般的に認知されて いるのかどうかまでは 存じあげていないのですがね、例えばですよ、いま甥っ子が大好きなヒーロー 戦隊モノのキャラクター人形などを持ってたりしますでしょ? そいつらをヒョイと取り上げては、 通常では有り得ない『酔っ払い寅さん』などを勝手に作り上げて、甥っ子相手に演じてしまうワケなの ですよ。 意味も判らぬハズなのに、そばでニヤニヤ笑っているコトもあれば、プイっ!と他の遊びに 移ってしまい、そのまま私は放置されちまうコトなんかもありますよ。 そう、この遊びにおいて肝心 なのは、なりきり命ですね。プロなのです。 例えお客様にそっぽ向かれようとも、舞台を捨てるワケ には参りませぬ。 最後まで演じ切る覚悟と意気込みが必要です。 決して素人さんにはオススメでけ ません。 ヘイ。 連休中に横浜の妹家族がイヌ同伴で、親父と私の住む実家へ遊びに来てくれました。 甥っ子はこの春 3歳になり、しゃべりの方もなかなか達者になっております。 その年齢にしては なかなか気さくな ヤツであり、私などは彼と遊んで貰うのが毎回楽しみなモノのヒトリであります。 ヤツと言ったり、 彼と言ってみたり、一体なんなんだよ…と思われるコトとお見受けしますが、その通りなので仕方が ありませぬ。 一緒にいるとしばしば上下関係が変動しますのでね、そう言わざるを得ないのだと、 解釈の際には 何卒ご理解とご協力をお願い申し上げます。 その日の夕食も終わり(ギョーザパーティーでした)、甥っ子がオモチャ箱から電車のコレクションを 大量に出して来て遊び始めましたので、いつものよぉに私もお付き合いさせて戴いておりました。 妹が『電車のおいちゃん』などと吹聴しておったらしく、近頃の甥っ子は この家に来る目的の一つに 掲げているようなのです。 実は、かの電車コレクションとは 仲良しのお友達からお古を譲り受けた モノであり、自宅で一人遊びする時には見向きもしないのだそうです。 慣れない物事に触れ親しむ には事情通の同伴が必要なのだ… といった価値観が、既に備わっておるのですねぇ。 …ウソです。 きっと叔父バカっすね。 気ままに電車を一両ずつ取り上げては、『コレわぁ?』、『コレわぁ?』と聞かれるままに 『300系 のぞみ、初代だね』とか、『500系のぞみだ。コレはJR西日本なのやぞ』とか答えていると、新幹線の 様々な形式が充実している模様… どうやら譲渡主は新幹線好きだったようです。 なかでも 色合いのデザインがちょっと可愛いらしい、秋田新幹線『こまち』のコトは2回ほど聞かれましたので、 判らぬコトなどはお構い無しに 少々のウンチクやらを披露すると、にわかに好奇心のスイッチが入っ たようでした。 すると『こまち、こまちヤってぇ〜!』とリクエストするのですよ。 私の脳裏では、 『こまちヤル=(イコール)擬人化あそび…だよなぁ。 いつもよりか聴衆も多いし、演技力が問われ るトコだよな、うっし!!やっちゃるわ!』などと勝手な決意を決め込んでおったのですょ。 そして 「こまち」を手に取り、 …『あ、どぉ〜も、「こまち」でありますょ(ペコリ)。 毎日 東京から秋田まで往復してましてね、 近所の仲良しに「つばさ」君なんてコもいてはりますぅ。 あ、そこっすわ、いま丁度コーちゃんの 膝んトコで寝っ転がってますやん?彼ですわ。 えっ?いやいや、この時間から秋田行け言われまし てもねぇ、アッチ着いたらコーちゃんきっと爆睡してますやろ? 乗っけてくのはかまへんけどな、 起こして不機嫌ビンタ食らうのだけは、ワシ勘弁ですねん…(汗』 …と、甥っ子の方をふと見やれば、 既に「つばさ」君を手に取って一人ガチャガチャといじってる始末。 カチンっ!ときて甥っ子の頭をガシッと掴み、くるりと回して振り向かせ、 『こりゃ!せっかくおいちゃんが 「こまち」ヤってたのに何ぢゃ!そんなら次はコーキがヤって見せれ!(ガシッ!)』 と、「こまち」 を手渡せば、甥っ子はおもむろに 「こまち」を床の上に置いてですね、 『♪ガタンゴトォ〜ン、ガタンゴトォ〜ン♪…』 …と、嬉しそうに、楽しそうに 走らせたのでありました。 あぁ〜何だ。 そっちの方で良かったのね? それなら車掌さんの車内アナウンス付きでさ、『本日もJR 東日本「こまち」号にご乗車下さいまして誠にありがとうございます…』とかね、更に続けて 『レィディス エン ジェントルメン、センキュー フォー ユーズィング アワァ スーパーエクスプレス 「コマチ」…』とかヤってさ、食卓で傍観決め込んでたパパ&ママのど肝を抜いてあげるコトもでけた のになぁ… あぁ痛恨の勘違い。 なれども生き様に悔いはナシ…と。
※ 連休明けの仕事がこんないキツかったとは、随分と久しぶりの感覚なのですょ、ホント。 |